ほのかの収録日記27 (2018年3月7日)〜勘違い

今日のゲストは、桐朋学園大学教授でいらっしゃる沼野雄司さんと、装丁家の桂川潤さん。

沼野さんはご自身の著書である『ファンダメンタルな楽曲分析入門』を中心にお話ししに来てくださった。私は大学の授業で楽曲分析の基礎を教えてもらっていたので、授業内容を復習している気分になった。

お話しの中で面白いなと思ったもののひとつが、曲の構成についてのお話だ。
「曲を作る際に、元からある型に当てはめていくのは、なんか気持ちが悪くて、本来であればそのジャンルの曲を浴びるほど聞いて、自然とその形になるのが正しい作曲方法だと思う」と沼野さんは仰っていた。

確かに、ポップ・ミュージックはAメロ、Bメロ、サビがあるけれど、これは誰に教えられたでもなく自然と身についたものだ。

これと同じことがクラシックにも言えるそうだ。
クラシックは型にはめ込んで曲を作っているのかなと勝手に思っていたので、少し驚いた。




桂川さんは著書の『装丁、あれこれ』という本を中心に、ご自身が装丁した本の裏話などもお話しして下さった。

私は今日まで、正直“装丁家”という職業を知らずにいた。本の表紙はデザイナーさんが担当して、中身は編集者の方が考えているのかな?と勘違いしていた。装丁家とは、本の表紙、見返し、扉などのデザインや紙質など、本のデザインを担う職業らしい。

デザインやイラストが大好きな私としては、興味深いお話しがたくさん聞けて嬉しかった。装丁ひとつで本の印象がここまで変わるのか、と驚きの連続だった。

例えば行間、フォント、サイズや周りの空白の大きさなど、私たちが普段何の気無しに見ているものにも、ひとつひとつ拘りがある。微妙な違いでも何となくしっくりこなかったり、キマらなかったりするのだ。その微妙な感覚を研ぎ澄ましてデザインしているなんて、かっこいいな。

熱を持って装丁された本は、本当に幸せだなと思った。
次から本屋さんで本を見る時は、装丁にも注目しよう。




沼野さんのお話しにしても、桂川さんのお話しにしても、自分の勘違いが正された収録だった。様々な年代の様々な職業の方のお話しを聞くのって、本当に楽しいなぁ。

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